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ワンステップ!-大工のいない島-の後編が放送されました

インフォメーション 2009年03月03日

東京 目黒の工務店の江中建設です。
さて、先週ご紹介したTBS系列の「ワンステップ! -大工のいない島編-」の後編が、3/1に放送されました。
紹介記事はこちらです。
前回の番組紹介の公式HPはこちらです。
最初に大工育成塾で共に学ぶ4人の大工さんのたまごたちが、この島に来るまでの経緯にざっと触れるところから番組は始まります。その中でうちのT君こと立岩君は「なんでも自分で出来る棟梁になりたい」と力強い言葉を言っていました。
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山口の瀬戸内海に浮かぶ小さな島である八島は、過疎と高齢化が進み55人の住民のうち89%が65歳以上となり、大工さんも20年以上島にいない状況。しかも、離島のため、外からなかなか大工さんにも来てもらえないので今までの思い出が詰まったお住まいも痛み放題。
そこに彼ら4人がちょっとした修繕を腕と頭を使って行っていきます。
後編の最初のエピソードは女性の大工さんが、ちょっとしたスランプになりかかって、その日の内に終えようとした作業が終えられず、また同じ経験年数のはずなのに一緒に行った子の指示を待つばかりになってしまって、落ち込んでしまうのですが、島のおばあちゃんの温かい言葉と一人で手すりを取り付けられたという実績で、ようやく自信をちょっと取り戻すというものです。
若い頃って、こういったことの繰り返しですよね。ちょっと仕事に自信が出てきたかと思うと、また打ちのめされて落ち込み、悩んで、また頑張ってみて、ちょっと自信を付けてといった具合に。彼女は決して逃げることなく、一生懸命立ち向かう目をしていましたね。そういった若者を見ると、本当に嬉しく思います。
そして4人が最後に向かった修繕先が、急勾配の坂の上に建つ築70年以上の古家。こちらのご主人が今まで修繕をしてきたのですが、70歳を過ぎた頃からさすがに体力も衰え、家は傷み放題で台所の雨漏れがすごい状態。でも思い出がいっぱい詰まっていて、お嫁に来た頃からずっとこの家に住んでいるおばあちゃんは、この家を離れることは出来ないと言います。
しかし雨漏れは当然のように木を傷めますし、土間もぐちゃぐちゃになって、ここでおばあちゃんは転んで、3回も骨折したとのこと。このお年で転ぶと、もしかするともう歩けなくなってしまうかもしれません。
そこでうちの立岩君を始め、大工4人が腐った木材の撤去をし、その下にトタン葺きの屋根を設置。更には土間の上に床を敷いて、すべらないようにしてあげたとのこと。さらに急勾配の坂にあった緩んだロープの手すりもしっかり作り直してあげていました。
番組で話していた終わった後の立岩君の言葉です。
「おじいちゃんおばあちゃんと話したりするのが今まであまり経験していなかったんで、いろいろ話して、いろいろその人のこと分かって良かったです。」
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本当に良い体験が出来たのですね。やっていることはちょっとした修繕が多かったと思いますが、あれだけ人のためになることを自分たちは出来るんだということに誇りを持って、これからの仕事に取り組んでいってくれることと思います。
さて立岩君が帰ってきた後の小話です。
1)撮影の最初の頃は島から船で戻って宿泊していましたが、段々時間も押してきて、特に雨漏れの補修はとても大変だったため、島の公民館に泊まることになりました。風呂もなく、大変だったようです。でもあれだけの作業を実質10日間くらいで成し遂げたのですから、立派なものです!
2)彼らは普段はそれぞれの棟梁の元で修行しています。なので、こうやって若い仲間たちで力を合わせて作業に取り組むということがなかなかありません。戻ってきて間もなく「どう?」って聞いたら、「現場がちょっと寂しく感じます。」と言われました。同世代でわいわいやっている雰囲気が懐かしかったのでしょう。建築業界はどうしても働く人たちの高齢化が進んでいます。こういった若い人たち同士で仕事が出来る環境を用意してあげることも、これからの我々にとっては大事なのでしょう。
3)しかしうちの立岩君は奥ゆかしくて、なかなかテレビ画面に映りませんでしたね。以前、ドリームハウスという番組にも彼も携わった家が放送されたのですが、そのときは後ろ姿が一瞬出たくらいでした。でも、腕は最初の頃と比べて格段に上がりましたし(かんなくずもなかなかのものです!)、性格も良くて現場の皆さんから愛されています。そんな彼をこれからも温かい目で見守っていただければと思います。
ところで以前の記事にも書きましたが、こちらの番組のコンセプトである

明日のために、誰かの笑顔のために、
今、自分にできることをやってみよう!

というのは、とても素晴らしいですね。我々の仕事においても常に胸に刻んでおきたい言葉だと思いました。