大工育成塾現場修行記 Vol.2

江中建設では大工育成塾の塾生を、現場修行として受け入れています。
先生は棟梁。将来の目標である棟梁の下、見習いとしてしっかり仕込まれます。
 
前回取材させていただいたT君を1年ぶりに訪ねて見ました。 この1年の成長ぶりはどうだったのか、紹介いたします。

【今回の修行生】
T 君 20歳
江中での修行は、1年半になる
この前の取材後、一年間で4棟の作業にかかわる
 
【先生=棟梁】
田宮 棟梁
この道40年超の大ベテラン


修行生のT君

田宮棟梁

現場監督


この1年の間、自分自身どういう変化がありましたかとの質問に T君は、「前より大分仕事の流れが解ってきました。また、一人で 大体のことは出来るようになりました。でもまだまだ中の仕事は、 難しいです。覚えれば覚えるほど次の課題が出てきます。」
 
それに対し棟梁は「大工は死ぬまで修行」と一言、職人としての スタンスを教えられました。
 
その後も話は続く…….。
 
T君「前より倍くらいの重いものが平気で持てるようになりました。」
 
現場監督「確かに見ていて危ない感じがしなくなりましたね。腰が 落ち着いてきたというか、身のこなしが大分大工らしくなってきて 安心して見ていられるようになりました。」
 
棟梁「そうだね。やる気もかなり出てきたし、大工として次の動作が出来るようになりましたね。私の手元として作業するときも、次に何をするのか、それにはどの工具が必要なのかわかってきたようです。」
 
現場監督「最初は棟梁の言っていることが全然わからず、トンチンカンな感じでしたが、最近はわかってきたのかそんな感じは全く無くなりました。」
 
と、お二人からT君の成長を感じさせるお言葉を頂きました。
常に先のことを考えて動くことが、大工としては大事だということを教わったこの1年の成果がうかがわれます。
 
この取材の前日、棟梁が私用で出かけている間、ボード貼りを一人でこなしたようで、 棟梁からはお褒めの言葉を頂いていました。しかし現場監督からは「出来は悪くはないけど、時間が かかり過ぎ。まだまだ作業が遅い。」と厳しい一言が….。
すると棟梁「作業が出来た分しか収入にならないんだぞ。これで幾ら稼げた?」 と冗談めかした激励の言葉も。
 
「大工は経験が物を言う。引き出しが多くなければいけない。それには、基本が 大事なのだから、一人前の大工を目指すならしっかりと人の倍以上努力が必要 。それは誰のためでもない。自分のためだ。」と取材の最後に真摯な表情の棟梁から教えられました。
 
現場では、棟梁をはじめ、現場監督、先輩の大工さん、建て主様からもかわいが られているというT君。支えてくれる周りから沢山のことを吸収して一人前の 大工を目指しまだまだ修行中のT君でした。



板張りやボード細工など、細かな仕上げ作業もやらせてもらえるようになった。



失敗が許されない緊張の柱へののみ入れ。仕上がりのイメージを集中して感じることが重要。



大工の肝、墨だし。まだまだ一発で決められず時間がかかる。もっと経験が必要と痛感。