大工育成塾現場修行記 Vol.3

江中建設では大工育成塾の塾生を、現場修行として受け入れています。
先生は棟梁。将来の目標である棟梁の下、見習いとしてしっかり仕込まれます。
 
今年もT君を1年ぶりに訪ねて見ました。塾生最後の年となるT君の成長ぶりを紹介いたします。

【今回の修行生】
T 君 21歳
江中での修行は、2年半になる
塾生として3年の見習い期間最後の年である
 
【先生=棟梁】
田宮 棟梁
この道40年超の大ベテラン


田宮棟梁

棟梁のところに来て2年半、見習生として最後の年となるT君の成長ぶりはいかがですかとの質問に棟梁は、「もうほとんどの作業はまかせられるようになったよ。ボード貼りなら完璧だな。」とおほめの言葉。
「この前の現場は、かなり腕の見せ所の建物だったけど、綺麗な仕事だったよ。ほら、こんなことも出来るようになったんだよ。」と継ぎ手とよばれる寄木的な手法の技を使った加工の部分を見せていただきました。
大工としては当然必要なテクニックということですが、実際、今の建築現場では使う場面の殆ど無いものらしく、出来ない若い大工も多いらしい。そんな技まで棟梁に教えてもらい、身につけたT君の成長ぶりが垣間見れました。

継ぎ手


修行生のT君

前回の取材から1年。
色々なことを学び身に付けたことが自信となり、いっそうたくましく、頼もしくなったT君。見習い当初3年で棟梁になるといってましたがなれそうですかという質問をしたところ、ただただ苦笑いし棟梁の顔色を伺ってました。
それを受け棟梁は「成長はしたが0.6人前。」と一言。それがお褒めの言葉なのか厳しい苦言なのかわからなかったのですが、うれしそうに笑うT君を見るときっと励ましの御言葉だったのだろうと思います。
更にT君が、「とにかく今はいろいろなことを学び身に付け成長してゆく自分と家づくりの楽しさが直結してきたことが楽しい。」と今の率直な思いを話してくれました。


電気工事Sさん

多くの現場を共にしてきた電気工事のSさんにもT君の話を聞きました。
「T君はどんどん成長してますよ。いずれは棟梁になるのだから、そうなったら僕ら電気屋は使われる立場。いまからゴマをすらなきゃ。」と笑って答えてくれました。
それにT君は「Sさんは見えないところの仕事もいつも丁寧で綺麗、見習うべきことが多い先輩です。」とSさんのジョークに真剣に答えていました。親方や現場の先輩達と合わず辞めていく人も多いという中、皆に愛されているT君は幸せだと感じました。


0.6人前といわれたT君ですが、棟梁にあとどれくらいで一人前になれますかと質問した所、「あと2年で一人前になれる。」と断言。「私を超えると約束したよな。」とT君に向かって笑顔の前にも厳しいまなざしで答えてくれました。
 
大工塾生の見習いとしては、この春で卒業することになるT君。その後も引き続き江中建設、田宮棟梁のお世話になることが決まっています。
 
春からは、プロの大工としての第一歩を踏み出すT君。「お金を貰うようになると益々上手くなる。楽しみですよ。」と棟梁も仰っていましたが、今後のT君の益々の活躍に期待していきたいと思います。


T君に「自分で作ったかんなです。」と言われ見せてもらいました。道具にこだわるところはなかなかのもの。新潟の燕三条までわざわざ行って作ってきたそうです。
ただ、その情報はネットで見つけましたというあたりは、現代っ子ですね。








あたらしい道具の使い方を教わるT君。思ったようにはなかなか上手く行かないようです。