大工育成塾現場修行記 Vol.4

江中建設では大工育成塾の塾生を、現場修行として3年間受け入れています。
先生は棟梁。将来の目標である棟梁の下、見習いとしてしっかり仕込まれます。
 
早いものでT君も3年の修行期間を終え、弊社の社員大工となりました。そして、彼の後輩K君が、新たに田宮棟梁の下、修行生として入ってきました。
その新たなる塾生の奮闘振りをご紹介いたします。

【今回の修行生】
K 君 18歳
江中での修行は、8ヶ月
 
【先生=棟梁】
田宮 棟梁
この道40年超の大ベテラン
 
【先輩】
T 君 22歳
江中で3年間修行のち09年4月社員大工として入社


修行生K君

目下鋭意建設中の東京スカイツリーの直ぐそばが、今回の取材現場。
どちらも同じ建造物だけど、どうして木造建築の大工を選んだのと聞くと、「高校生の頃、なんになろうかと考えた時、真っ先に思い浮かんだのが、かっこい職人・大工さんでした。ただ実際現場に入ってみると、意外に機械を使うことが多く、職人は手作業で作業するとイメージしていたのでそのギャップに戸惑いました。最近ようやく手で切ったり削ったりすることだけが大工の仕事ではないことがわかり、またモチベーションが上がってきました。今後一人前の大工を目指すのがもちろんですが、この3年間で社会人として恥ずかしくない人間になりたい。」と屈託ない笑顔で語るK君。


田宮棟梁

8ヶ月やってても、まだ何も出来ないわからないというK君。
棟梁「自分についたからといって、簡単に何でもやらせる訳にはいかない。」と厳しいお言葉。
「まずは現場になれることだな。」来たばかりの頃は現場に飛び交う木屑に咳き込み、鼻水を咬んでばかりだったとK君を笑う。
「とりあえずここまで1日も休まず来ているので、やる気は合格。」とそこだけはお褒めの言葉を頂いたK君。
「最初から比べるとずいぶん変わってきたよ。」と云われると、まだまだ何も出来ないというK君は、「そうですかね。」と納得いかない様子がほほえましい。
「そう簡単に一人前になれない。3年頑張ったからといってなるものでもないので、焦らず急がず育って欲しい。」と棟梁は語ってくれました。


修行生K君

何もまだわからないと云いつつも「ぼんやりと大工のイメージが固まって来ました。仕事も自分でやっと何から始めたら良いのか考えることが出来るようになりました。でも、まだまだ自分なりに考えてやったことが、逆に邪魔してしまうこともあります。」とK君。
仕事は、そんなに楽ではないというK君。高校時代ラクビーで鍛えた体、力には自信があったが、先日の手揚げでの上棟は本当に辛かったと語る。
棟梁に「動きが雑、力任せすぎる。」と指導されたそうだ。
「見習いの修行の身だから、いただけるだけでありがたいのですが、もらえるお金は本当に少ないです。この歳になったらお金が欲しいですし、楽な仕事ではないので、大工を辞めていく人も多いです。自分もこんなことをしていていいのかなあと思ったりしますが、ここで辞めたら負けた感じがするし、とにかく3年間は一つのことを成し遂げたい。」と真剣に語るK君でした。


先輩T君

塾生の先輩となるT君にも話を聞いてみました。
修行生から大工と立場が変りましたが、どうですか?との問いに、T君が答えるより先に棟梁が、「お金を取るようになってからは、全然違うよ。」と笑う。
「お金をもらうプロである以上責任がありますので、ものすごく頑張るようになりました。また早く仕事が出来ればより稼げますし…..お金の部分で塾生のうちは、頑張らなくても良い気持ちもありましたけど。」とT君は後輩K君を見ながらはにかんだ。
K君に何か教えたりすることがあるのと聞くと、「いえいえ。まだまだ僕が親方に教えてもらいたい程です。でももう自分で考えて仕事をする身、どうしてもわからないことが事があれば聞きます。」と答えていると、棟梁が「この間は、俺があの寸法出しどうやったと教えてもらったよな。」と大笑い。T君の成長度合が垣間見れました。




まずは見て覚えるのがこの業界の基本、一時も目が離せない。



教えてくれるが、もたもたしてると「こうするんだ」と、全部やられてしまうので、そうならないようにしたい。



作業用の手すりやつっかえ棒などで練習、練習!



心を込めた作業の第一歩は掃除から。その後にまた作業を行います。